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「高さ」と「深さ」



前の記事の続きです。


「芸術」においては、これまでも「深さ」は重視されてきたと思うのですけれど、実は、「深さ」を「高さ」に変換してしまっていたように思うのです。


つまり、「深い」=「上質」とされてきたわけです。

別に間違いだというのじゃありません。
でも、「深さ」と言うのは、”下へ”の追究でもあるわけです。

「下」なのに「上」と言うのは、矛盾しているように思えるわけです。
だから、純粋に”下へ”向かう「深さ」があってもいいのかなと思うわけです。


そもそも、「深さ」と言う言葉が「芸術」において多用されるのは、単純に「いい」とか「上等」とかいうのとは違う、どこかに、「負の要素」を含んだ言葉だからなのかなと。

「正」と「負」が織りなす複雑さを表現するための言葉なんじゃないかなと。

つまり、「深さ」は「芸術」の「負」の部分を担っているようにも思えるのです。


だから、「深さ」は「高さ」に変換せずに”下へ”の「負」の要素として、機能させていくというのもあっていいように思うのです。


そしてさらに言えば、これまでは「正」に対する付加価値的な位置にあった「負」の要素を、もっと、主役として起用していく必要性が出て来るのかなと。

今後、これらの「正・負」や「深さ・高さ」だけでなくいろいろなことについての、位置の逆転が求められるのかもしれません。


この「逆転」と言う言葉だって、常に逆転して”良くなる”と言う使い方がされてきたわけですけれど、それでは、本当の価値は逆転していないとも言えるわけです。

と言っても、「負ですから、大したことはありませんよ」と開き直ってしまっては、そこでも、価値は逆転できないように思うので、もっと普通でいいんじゃないのかなと。

逆転だからと言って、あまりひっくり返そうとすると、メビウスの帯のように、元の位置に戻ってきてしまうように思うわけです。
ごく自然に、人の意識の中の価値が”逆”に展開していけばいいのかもしれません。


ですから、これから”本当の逆転”を見たいと思っております。
”本当の負”を知りたいと思っております。
そして、”本当の深さ”を表現出来たらなと。


そんな風に思っております。



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