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「なぜか心に残ってしまうもの」



『感動した』とか『とても印象深かった』とかいうことではなく、何の気なしに見たものや聞いたものが、その後、長い年月の間、”ミョーに”ずっと頭の中に残っているということがあると思うのです。


たぶん、誰にでもそういうことがあるんだろうなと思っているんですが、どうなんでしょうか?
それはともかく、いくら考えても「それが残っている理由」が思いつかないわけです。


例えば、とくに好きなわけでもなかったテレビ番組の中の一コマとか、ドラマのセリフ、友達との会話、コマーシャルのフレーズなど、ジャンルにも内容にもほとんど関係なく、つまり、”まったく理不尽に”しかも長期間、心に残っていることがあるわけなのです。


私の場合、学生時代に学食でスパゲッティをたのむと、学食のおばさんが「スパゲ~」と言っていたのが、どうしても頭から消えてくれません。

『絶対理由なんかない!』と思います。

それから、時代劇のドラマで、菅原ブンタさんが言っていた『~が、なじょする』と言う何処かの方言のセリフが消えません。
何のドラマかも覚えていませんし、どういうシーンかも覚えていません。
第一、その時代劇は多分その回の放送しか見ていないわけです。

これなんかも、何故だか全くわかりません。


他にも、すごく短い期間しか流されなかった(2~3回見たくらい)コマーシャルなんかでも、消えないものがありますし、こういうのを挙げたらきりがありません。


その反面、すごく好きだったものや、何度も繰り返し見たものなんかでも、「コロッ」と忘れてしまうものもあったりします。
しかも、そのまま思い出せなくなるなんて言うのもあったりします。


さて、何が言いたいのかと言うと、『「心に残る」って、いったいどういうことなの?』ということなわけです。


まったく人間と言うのは、ミョーな感じで複雑にできていますから、『この感動は一生涯忘れないだろう』というようなことを考えてみたら、はじめからよく覚えていなかったりすることもありますし、どうでもいいようなことを何十年も覚えていたりするわけです。

私は「絵」を描いていますから、どうせなら「人の心に残るようなもの」をと思うわけです。
それが第一の目的ではないにしても、やっぱり「気にも止められないようなもの」よりは、「心に残るもの」ということはあるわけです。

ところがですね、こういう理不尽な「心に残る」があるということはですよ、頑張って描いても『スパゲ~』に勝てないわけです。

いえ、勝ち負けではないんですよ。
そんなことは決して思っていませんよ。

でもね、負けたくない相手というのはあるわけですよ。
私の場合、『スパゲ~』には負けたくなかったわけですね。

それなのに方策がないわけですよ。
この「理不尽さ」、この「無根拠さ」、この「執拗さ」に対抗する手段が思いつかないわけです。


そこで、「いっそのこと、自分がそっち側に行けないのか?」と思ったわけです。
何の根拠もなしに理不尽に「人の心に残る」側にですね。

でも、よく考えたら理不尽な”残り方”はしたくありません。

それでも「心に残るもの」と「心に残らないもの」はどこで決まるのだろうなと。


そんな風なことを、いま取り敢えず”考え中”です。



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