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「不便」の選択




「不便」と「便利」だったら「便利」を選ぶのが普通なわけですけど、そこで、敢えて「不便」の方を選んでいこうということなわけです。


人間の生活と言うのは、常に「不便」と「便利」の二者択一を迫られているのだと思うわけです。

一見すると、ほとんどの人が迷わずに「便利」を選択しているように見えるわけですけれど、実は人間の思考の中では、いつも「不便を選ぶこと」への誘惑との戦いがあるように思うわけです。


言葉の上で、「簡単で便利なこと」と「不便でやり難いこと」と言われれば誰だって、「簡単便利」をえらぶわけですが、実のところ、その「簡単便利」と言うのは、「お手頃廉価版」でもあるわけです。

要するに、「上等なもの」と言うのは、何かしら「不便」の要素を併せ持っている場合が非常に多いわけです。

そして、そういう「上質」なものの持っている「不便さ」には、ただ単に”使いにくい”と言うような「単純な不便さ」とは違った”あじ”があるわけです。

そう考えていくと、たまたま「上質なもの」が「不便さ」を持っているのではなくて、実は、「不便」そのものが一種の「質」なのではないかとすら思えて来る時があるわけです。


例えば、ゲームなんかでも、難しくて達成しにくいものの方がオモシロイのでしょう。
つまり、そこでは「不便」が一種の「質」であるわけです。

そんな風に考えていくと、無条件で「便利」を選んでしまうことは、ちょっと、”ソン”なようにも思えてくるわけで、どちらかと言うと、実際上やむを得ない場合に、仕方なく「便利」を選択しているというぐらいで丁度いいんじゃないかと思ってしまうわけです。


少なくとも、現在は世の中が「便利過ぎ」だと思うわけですよね。

「不便」の方がベースで「便利」の方がオプションなくらいでいいんじゃないのかなと。
それじゃないと「便利」の”有難み”もわからなくなってしまうような気もしますし、第一、人間が考えなくなってしまうんじゃないのかなと。


そんな風に思ってしまうわけなのです。





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