2.≪喪失≫の実践について ③マスメディアとの関係 ④「宣言」の再検討 :の説明
このカテゴリでは【芸術の20世紀喪失宣言】についての説明をしていきます。
(このカテゴリのはじめの記事を先に読んでいただくとわかり易いと思います。)
③はメディアについて、④は≪芸術の20世紀≫を再検証することについてです。
まず、③のメディアについてです。
これは、あまり大事なところではないので特に書くこともないんですが、取り敢えず、この「宣言」の主要な内容は、「数」的な問題ではなくて、「質」的な問題に関することだということです。
だから、「マスメディア」のような、容量の大きい情報の流れとは、『かなり離れたところにあるモノなんですよ』ということです。
ただ、「ブログ」と言う「ウェブ上の媒体」を使っているので、それも一種の「マスメディア」だとも言えるわけなんですが、「メディア(媒体)」としては大きくても、「情報の流れ」としては極めて小さいので、これは「マス・コミュニケーション」ではないでしょうから、やはり「個人的な宣言」なんだと思います。
まぁ、要するに、メディアに期待するようなことは、特にないということですね。
④は再検証についてに成ります。
これは、読んだ方には伝わりにくいのかも知れませんが、そもそも、この≪芸術の20世紀喪失宣言≫と言うのは、実際に≪芸術の20世紀≫を消去してしまおう、ということとも少し違って、「仮想現実的」な「喪失」を想定したものです。
つまり、「バーチャル」ですね。
あくまで、≪芸術の20世紀≫と言う「カラマッタ糸」を、一度切ってつなぎなおすことで、次世代の「芸術の場」を設定しようとするものなのです。
ですから、≪新生芸術の20世紀≫において、『これが、21世紀の芸術の場である』と言えるような環境が確保されたのちに、≪芸術の20世紀≫は、もとの位置に戻されるべきであると思っております。
もちろん、理想を言えば、こんなことをしないで、一つ一つ、「カラマッタ糸」を解いていければ一番いいのでしょうが、過去の例から判断して、それは無理だろうということで、このような手法を用いています。
それでも、やはり、「一つの時代」を消し去ってしまって、そのまま無かったことにするというのは、良くないでしょうから、時期を見て、それは、元に戻されることが望ましいと思っているわけです。
その時、「20世紀の芸術」は、一旦「喪失」されたことによって、スッキリと見通せるようになっていて、その時代の人が、「20世紀の芸術」が持っていた意味を考え直すことは、とても有意義なことに成るのではないかと思っています。
そして、その時には、もう、「20世紀の芸術」は難解で理解できないという人は、ほとんど居なくなっていることでしょう。
「カラマッタ糸」を一旦取り除くことで、「歴史のつながり」を取り戻し、その「歴史のつながり」の中の「一つの時代」として、≪芸術の20世紀≫を冷静に見渡すことが出来るように成ったその時代の人たちは、もう、「混迷の中」にはいません。
きっと、その「混迷の渦」の外側に立って、「芸術の20世紀」を「そんな時代」として客観的に捉えることが出来ると思います。
その時点で、≪芸術の20世紀≫が持っていた「考えさせる芸術」と言う性質は、「難解なモノ」から「思慮深いモノ」に変わっているでしょう。
その時には、きっと、「思考すること」を楽しむような「芸術の場」が出来上がっていることでしょう。
一つ前の項目で述べたこととも連動させる形で、こういったことを芸術の企画に持ち込むことが出来れば、きっと、それは、世界的な動向にも成っていくことだと思っています。
この項目には、こんなことが書いてあります。
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