「人生の突き当り」
「人生」には、いろんなところに、「突き当り」や「行き止まり」や「袋小路」なんかがあって、だからこそ、『人生はオモシロイ』とも言えますし、だからこそ、『人生はヤッカイなものだ』とも言えるわけだと思いますけど、そういう「人生の突き当り」的なモノが、人間が生きていることを、なんとなく意味のあることのように感じさせてくれているんじゃないのかな?と言う風に思っているわけです。
そして、そういう時に、人の心の中に浮かび上がってくるのが「芸術」であり、「哲学」であり、また、人によっては「宗教」なんじゃないかと思うわけです。
(私は、現代は「宗教」では足りないと思っていますけどね)
まぁ、「突き当って」行き詰っている」わけですから、普通に考えたら、イイわけがないんですけど、そういう「ドン詰まり」が、「人生」に意味を感じられるようにしてくれているような気がしているわけです。
これは、逆説的に考えるとわかることですが、そういう「突き当り」がない「人生」を想像すると、どうも、なんとなく」楽しくない気がするわけですね。
もちろん、「突き当りばっかりの人生」は勘弁してほしいもんですけど、それと同じくらい、「突き当りのない人生」も味気ないような気がするわけですね。
ある意味、「贅沢」ではあるんでしょうけどね。
「文明国における贅沢」ですね。
そう言うと、かなりイヤラシイ感じに聞こえてしまうかも知れませんけど、同じ「贅沢」ならば「物質的な贅沢」じゃなくて「精神的な贅沢」の方を選びたいなと。
そんな風に言うと、イヤラシサガが少し目減りするような気がします。
「こういう時代」・「こういう場所」に生まれたことが変えられないとするならば、その中で、少しマシなことを選んでいくのが、少しイイんじゃないかと思います。
(いや、別に「もっと非文明的な環境に生まれたかった」なんて言う希望は持ってませんけど)
それはともかくとして、こんな私でも、けっこう一所懸命に「芸術」なんかやっていますけど、そういう「突き当り」を感じたりすることが無ければ、こんなに一所懸命に成って、何かすることがあっただろうか?と思うわけです。
もっと、若いときならまだしも、この年に成って(50代です)あっただろうか?と。
まぁ、たぶん無かったでしょうね。
いや、絶対ないですね。
それでも、けっこう幸福だったような気もしますし。
だったら、突き当らないと、やるわけないですよね。
それに、その後、べつに幸福度がアップしたわけでもないしね。
ややアップしたのは納得度ぐらいでしょうか。
「突き当り」の無いような「人生」をチョイスする人が居ることは、チットモ悪いことだとは思いませんけど、私の場合は、モチットだけ「贅沢」だったんでしょう。
つまり、物足りなく成ったんですね。
それで、「突き当り」に突き当たってみたわけです。
「文明国の贅沢」です。
イヤラシイですね。
でも、「物質的な贅沢」じゃないですから。
「精神的な贅沢」ですから、少しイイじゃないですか?
こういう「人生の突き当り」から生み出されるモノっていうのが、けっこう好きだったりするんですね。
「赤裸々」っていうんですか?
「正直」と言ってもいいでしょうね。
だいたい、人間って、「嘘」が多いですよね。
普通にしていても、ごく自然に「小さい嘘」をついているような気がするんですね。
そういうのが、「大嘘」と、本当の所では、大差ないんじゃないかなと思うわけです。
でも、「正直」に生きようとすると、とても疲れるんですね。
だから、「人生」の中では、「小さい嘘」を重ねながら生きていくわけですけど、自分の中のどこかに「正直な場所」を残しておきたいわけです。
それで、真面目に「芸術」なんかやって見たわけですね。
今のところ、「よかった」と思ってます。
今のところ、「やめときゃよかった」と思ったことはありません。
今のところ、この「正直な場所」に「嘘」を持ち込むつもりはありません。
アトモドリはしないような気がしますね。
「人生の突き当り」ってそう言うモノなのかも知れませんね。
「よかった」と思っているのは、「芸術」をやったことよりも、「突き当り」に突き当たったことなのかもしれませんね。
要するに、そういうのが好きなんですね。
今のところ、ですけど、そんな風に思ってますよ。
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