「子供」を「親」から引き離すという選択肢
現在の日本社会における、「幼児虐待」や子育て中の両親の「イライラ度」などを見ていると、「子育て」を両親に任せていて大丈夫なのか?と思ってしまうわけなのです。
「少子化」や様々な「文明の利器」によって、「子育て」や「家事労働」の「肉体労働的な部分」は、圧倒的に軽減されているハズなのに、それとは裏腹に、現在の「子育て中の親」は、常にに苛立っていて、その「八つ当たり」の対象は多くの場合「子供」なわけです。
そんな状況の中で、「児童虐待」の報道などを見るたびに思うことなんですが、そういうケースでは、どう考えても「親に育てられること」が「子供の不幸」と直結しているわけです。
あまりにも「不幸」なので、救いようがないと感じてしまうほどです。
そうなると、『本当に、子育てと言うのは両親がやらなければいけないモノなのか?と言う疑問が生じてくるわけです。
つまり、「虐待」などの個別のケースに対応するのではなく、初めからすべての子供について、「両親による子育て」を諦めて、国家や自治体が、ごく幼い時期の幼児の段階から、「両親」と「子供」を引き離して、「子育て」を公共団体が行うという選択肢も、視野に入れていかなくてはならなくなっていくんじゃないか?と言う気がしてしまうわけですね。
これは、もちろん、財源や運営方法など、「可能か?不可能か?」ということは抜きの話ですけど、それ以前に「両親から子供を引き離す」と言う選択肢が「アリか?ナシか?」ということですね。
まぁ、要するに、私は「アリ」だと思うんですよね。
非常識だとは思いますし、「親の愛情」云々と言うことを考えれば、当然無理もあるわけですけど、それを上回るくらいに、「親のイライラ度」が上がってしまっているんじゃないかと思うわけです。
それに、「施設で育った子供」が「出来が悪い」ということでも無いと思いますし、その子たちが「不幸」だとしたら、それは「施設で育てられた子供」と「親に育てられた子供」が居るから、その格差による部分もかなり大きいんじゃないかと思うんですね。
みんなが、同じように教育施設で育てられるように成れば、少なくとも、「差」は少なくなると思います。
もちろん、理想を言えば、「両親」が子育てをするのがイイんでしょうが、そういう理想論が空虚に感じられるほど、「親のイライラ度」が高まってしまっていて、実際に「ヒドイ虐待」を受けているようなケースでなくても、現在の日本社会で育てられる子供と言うのは、社会全体から「まんべんなく緩やかな虐待」を受けているようなものだと思うわけです。
ただ、教育施設で「虐待」が起きることもあるでしょうから、そこのところを、クリアするのは難しでしょうが、取り敢えず、「公による子育て」や「衆人環視の下での子育て」ということが必要になって来ているように思いますね。
というより、むしろ、何時かはそうならざるを得ないような気がします。
そんなわけで、「子供」を「親」から引き離すという選択肢は「アリ」だと思います。
さて、話は違いますけど、そうなると、「少子化」はどちらに傾くんでしょうか?
「子育て」と言う「生きがい」を失って、より一層「少子化」へ向かうのか?
それとも、負担が軽くなって「子だくさん化」へ向かうのか?
また、どちらに転ぶとしても、それは「なぜ?」なんでしょうか?
見当もつかないですね。
いずれにしても、「現在の子育て」は個人には重すぎるのかも知れませんね。
「それが出来る人」もいるでしょうが、「それが出来ない人」が増えてきているということなんでしょうね。
この状況からは、簡単に抜け出せないような気がしますね。
悲しいことではありますけど。
まぁ、そんな風に思うわけですね。
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