「カプセル画」という構想(空想)
これは、『たぶん、実現できないだろうなぁ』と思っていることなんですけど、私は「カプセル画」という構想を持っているんですねぇ。
これは、ごく簡単に言うと、人が入れるような大きさの「カプセル」を作って、その内面に「絵」を描くという感じのモノなんですが、
※小さな「プラネタリウム」みたいなものを想像していただければいいと思います。
ただし、基本的に一人の人が入って見ることを想定しています。
それから、足元(下側)まで球形の画面であるのが理想です。
つまり、鑑賞者が宇宙空間に浮かんだような状態で、「絵の中に浮かんでいる」
という感覚を創り出したいわけですね。
(まぁ、難しいですよね)
当然、人が中に入って見るということに成りますから、『入口をどうするのか?』とか(できれば真ん中の下から入れるようにしたいんですねぇ)、『そんなものを置いておく場所なんかないよね』とか、『照明はどこからあてるのか?だいたい、球面の全方向にどうやって照明を当てるのか?』等々、さまざまな問題があって、「ほぼ実現不可能」なような気がしているわけです。
(それよりも、資金面がいちばんの問題なわけですけどね)
でも、まぁ、頭で考えるだけなら、出来るので時々考えているわけです。
そもそも、なんで「カプセル」に絵を描こうなんて言うことを思いついたかと言うと、現在、実際に、私が描いている絵に対する考えからきています。
私の場合、「表現の多重化」という考えを持っているんですが、そのことに関係して、「額」と「絵」の関係性を深めていこうと思っているわけです。
(実際の順番は「額」が先で、そこから「多重化」に至ったんですが)
私の中での「額」とは、「絵の世界」を「ほかの世界」とキッパリと区切るための「境界線」であり、「絵の世界」を、そこに封じ込めておくための「結界」でもあると思っています。
(なぜ、封じ込めるのか?と言うのは長くなるのでここでは省略します)
そうやって、「絵の中の世界」と「ほかの世界」を創り出すことから、「多重化」の第一歩が踏み出せると思うわけです。
それに対して、自分の中で唯一の「境界や結界を必要としない絵」が、この「カプセル画」と言うことに成ります。
「カプセル画」の場合、見る人が「絵」の中に入ってしまいますから、「ほかの世界」は「カプセル」の外側と言うことに成るわけです。
要するに、「カプセル」自体が「画面」でもあり、「境界」でもあるということに成るわけですね。
つまり、「カプセルの内側の面」が「絵の世界」で、「カプセルの外側の面」が「境界」と言うことに成ります。
結果的に、この「カプセル画」は、私にとって唯一の「額を必要としない絵」でもあり、「多重化を必要としない絵」でもあるということに成ります。
「額」や「多重化」について考えることも、けっこう楽しい作業だと思っているんですけど、実を言えば、それは「ある種の拘束」でもあるんですね。
つまり、いつも「額との兼ね合い」を考えながら「絵」を描かなくてはなりませんし、それでいて、「独立した絵」としても成り立たせたいわけですから、不自由な部分も出てくるわけです。
また、「多重化についても、表現を「多重化」させて重ねていく度に、何かが犠牲にもなるということがあるわけで、そういう時には、いつも「小さな苦痛」を感じているわけです。
その点で、この「カプセル画」について考えるときだけは、とても自由で、奔放な気持ちになれるというわけです。
(まぁ、実現性を無視して考えているから自由になれるんですけどね)
まぁ、そんなわけで、「カプセル画」という構想、いや、「カプセル画」という”空想”についてのお話でした。
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当面、私自身は出来そうもないので、もしよかったら、誰かやってみてください。
『うまくいけば、ウケルかもよ?』
いや、そういうことじゃなくて、「自分の絵の中」に、人が入って見てくれるっていうのが、『なんか、イイじゃないですか?』っていうことですね。
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