そもそも、どうして「素人にはまったくわからない芸術」と言うジャンルが存在しているんでしょう?
そもそもですよ、『どうして「素人にはまったくわからない芸術」と言うジャンルが存在しているんでしょう?』
※ここで言う「素人」とは、「芸術」に特別な興味を持たない人のことです。
「プロ」と「アマチュア」ということではなく、「芸術を知識で捉えていない人」という
ような意味です。
「芸術を自分自身の感覚だけで判断する人」と言ってもいいと思います。
一般的な意味での興味ぐらいはあるが、敢えてそれについて詳しく調べたり、深く
考えたりまではしないというような、「芸術」に対してごく一般的な立場にいる人を
指しています。
こういうところをゴマカシ続けて居ていいんでしょうか?
『わからない奴にはどうせわからないんだ!』
『わかってくれる人にだけわかってもらえば、それでいいじゃないか?』
『みんなにわかるモノなんてどこにもない!』
そういうことを言っているんじゃありません。
『すべての人が好きというようなモノは存在しない』
当たり前です。
『あるモノを「ワカル人」と「ワカラナイ人」が居る』
当たり前です。
『創作者としては、わかってもらえる人が一人でも居てくれれば、それだけでも嬉しい』
全部当たり前だと思いますし、それで何の問題もないと思います。
ここで言っているのは、そんなことじゃありません。
ほとんどの素人にはまったくわからないようなモノが、なぜか専門家の間では高く評価されている、「そういう芸術」についてです。
そして、さらに言えば、「そういう芸術」が一つのジャンルになってしまっているという事実について言っているわけです。
「そういう芸術」を、今後も「芸術」と呼び続けていくのか?ということです。
言い換えれば『芸術は一般人を切り捨ててしまうのか?』ということです。
一般人を置き去りにして、「専門家」や「高尚でハイ・センスな知識人」のための芸術と言うモノになってしまうのか?
それとも、それとは反対に、「専門家」や「高尚でハイ・センスな知識人」達をケットバシテ、一般人のところに戻って行こうとするのか?
『いったい、どっちなんだ!?』ということです。
こういうことについて、いろいろと理屈をくっつけて、けむに巻いてしまうところがあると思いますけど、そういうのは全部、「そういう芸術」の側にいる人たちの「自己正当化」だと思いますね。
実際には、専門的な知識を持たない者の理解を拒んでいるような「芸術」が存在することは事実ですし、そういった「芸術」が専門家に高く評価されていることがあるのも事実です。
先端的なアートの世界においては、むしろ主流と言った方がいいんじゃないでしょうか?
「そういう芸術」が存在していること自体に問題があるというよりは、『それが主流になっている』ということに問題があると思うわけです。
要するに、「そういう芸術」をやっている人たちというのは、「一般人」を切り捨てて「専門家」や「知識人」の方を選択しているんだと思います。
そして、それが「芸術の主流」に成っているということです。
つまり、現在「芸術の世界」では、一般人に全く理解されなくても『どうってことは無い』ということです。
だからこそ、「素人にはまったくわからない芸術」というジャンルが成立しているんだと思います。
はたして、それでいいんでしょうか?
『イイわけないだろ!』と言いたいわけですね。
まぁ、『私はそう思います』ということです。
「専門家」や「高尚でハイ・センスな知識人」のための芸術を目指したい方は、『どうぞ、どうぞ』と思いますけど、やっぱり、言ってしまいますねぇ。
『アナタはそちらに行かれるんですね?』
『ワタシはこちらに参ります』
『それでは、さようなら』
と。
少し考えてみた方がイイと思います。そういうの。
「そういう芸術」ですね。
『考えるだけでも、考えてみた方がよくないですか?その辺のところ』
そんな風に思いますよ。
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